便秘が改善するとともに落ち着きがでた自閉症児
患者
4歳 女児
来院
2017年4月
患者
発語がなく他者とのコミュニケーションが難しく自閉症の診断がおりている。
数ヶ月前から便秘で4〜5日続くと病院で浣腸してもらう。1,2ヶ月前からキーキー高い声をだし、よく怒ったり泣いたりするようになった。物をなげつける。母親が対応に困り来院された。
治療内容と経過
初診:落ち着きがなく、つま先歩きで動きまわり、腕や頭を常に動かしている。声を出しているが言葉になっていない。服を着たままで歩きながら、頚肩部、仙骨部、足の皮膚の過緊張に小児はりをする。
2〜3診目:同様の施術をする
4診目:便が2〜3日に1回出るようになった。同様の施術をする
6診目:便は調子よく出ている。かんしゃくが減った。
8診目:最近落ち着いていて、療育も集中して受けれている。言葉をオウム返しすることがある。
10診目:体に緊張が出てきて、グニャグニャするのが減った。
外出した時、奇声を発して動き回っていたのが、おとなしくしていられるようになり外出しやすくなった。
34診目:目を合わせてくれる様になりにっこり笑う。
腹部を触られるのを嫌がっていたが触せるようになった。小児はりをして欲しいところを指差すようになった。
35診目:動き周りが減り、ベッドに寝てねと言うと自分から上がって横になる。
施術の間隔があくと、便秘になり、かんしゃくも増えるので1回/週のペースで継続して小児はりを受けている。
まとめ
発語のない自閉症のため、意思を伝えることが難しくストレスも貯まると想像する。便秘による身体的ストレスからも落ち着かずかんしゃくが出ていたのだろう。
かんしゃくや奇声が減り育てやすくなったことで、親の負担が減るとともに、本人も学習に落ち着いて取り組めるようになった。
自閉症や注意欠陥多動性障害(ADHD)の子供達と小児はりはとても相性がよいと感じている。