夜泣き・ねぐずり
患者
5ヶ月 男児
来院
2019年7月
症状と来院理由
以前はよく眠り育てやすい子だったが生後5ヶ月になり寝返りをするようになった頃から、寝つきが悪くなって寝つくまでに1時間くらいかかる。夜中に2回起きて授乳した後も、1時間くらい抱いて歩寝かせつけないと眠らなくなった。
昼間も抱いていないと怒り、キーキーいう。イライラしていてよく泣く。
母親が睡眠不足で疲れ、どうしたら機嫌がよくなるのかわからず困っていたところ、祖母の知人に紹介され来院された。
治療内容と経過
初診:頭部、肩背部に緊張した部分がありその部分を中心に小児はりを施術した。
2診目(1日後):症状はあまり変わらなかった。初診と同様の施術をした。
3診目(3日後):よく眠るようになり、昨夜は夜9時から朝9時まで眠ったが夜中に1度だけおきた。おきた時も授乳して、抱いていたら眠るようになった。
昼寝も午前中に2時間、夕方1時間眠り寝つきもよくなった。
母親も睡眠がとれ、昼間も前程ぐずらなくなったので楽になったと表情が明るくなった。
下痢3回/1日があるということで、前回と同様の施術に仙骨部の過緊張の部分に小児はりと小児用の灸をした。
4〜9診目:寝つきが良い状態が続き、7時間くらいまとめて眠る日もある。
2,3回起きることもあるが授乳すると眠るようになったので母親も楽になったとのこと。下痢も回復し昼間の機嫌もよい状態が続いている。
まとめ
脳や神経の発達が進む5ヶ月くらいから夜泣きが始まることが多い。
動きたいという欲求がでてくるが、体の発達はまだ未熟なので思うように動けずストレスがたまるのだと思う。
ストレスが溜まった時に現れる肩背部の緊張を緩めることで夜泣き、かんしゃくの症状を改善することができた。
小児はりは子供の発達を助けるとともに、親の育児の負担を軽減できるツールである。
症例番号
716
患者
3ヶ月 男児
来院
2019年3月
症状と来院理由
1週間前から寝かせつけに1〜2時間かかるようになった。添い乳で眠るがすぐに起きて何回も寝かせつけないといけなくなった。
その頃から昼間も抱いていないと機嫌が悪く、よく泣くようになった。
母親の疲れがたまってきてイライラすることが増えたので、上の子の夜泣きが小児はりでよくなったのを思い出して来院された。
治療内容と経過
触診をすると、頭の後ろから肩、背中にかけて緊張があり、その部分を中心に小児はりを施術した。施術中、にこにこして気持ちよさそうにしていた。
後日、小児はりをした日から寝かしつけに困らなくなり昼間の機嫌もよいことを確認した。
体調管理のために1〜2週間に1回小児はりを続けていて、夜泣きや癇癪(かんしゃく)が出た時は間隔をつめて施術を受けている。
まとめ
生後、脳神経の発達にともない経験することが増えてくると、昼間の興奮が収まらないまま睡眠に入ることになり、上手く眠ることができない。眠りの質も悪くなり、結果昼間の機嫌も悪くなる。
そういう場合、後頭部から肩、背中にかけて緊張している部分があり、その緊張を緩めることでリラックスして眠りに入りやすくなり、機嫌も良くなる。
子供がよく眠るようになると、親の負担も減り子育てに前向きになれるので、子供の睡眠で悩んだ時は小児はりを試してほしい。
症例番号
690
患者
2ヶ月 女児
来院
2017年9月
症状と来院理由
生後2週間頃から夜10時頃から泣き出して4時間位泣き続けるのが続いている。
寝ついた後も、朝まで時々おきる。
夜、泣き始めるとどうやっても眠らず母親や家族が睡眠不足で困り、ネットで小児はりが夜泣きに効果があるというのを見て来院した。
治療内容と経過
初診:睡眠以外は食欲、便通に問題はない。頭部、肩背部の過緊張部分に特に軽い刺激の施術を行った。気持ちよさそうに小児はりを受け、施術後機嫌がよくなった。
家族がなんとかしようと子どもの周りに集まることも刺激になっていると考え、母親にまかせて静かに見守るようにアドバイスした。
2診(4日後):4時間泣いていたのが2時間になった。12時から6時までは起きずに眠るようになった。初診と同様の施術をした。
3診(3日後):夜中ぐずぐず言うことはあるが泣くことはなくなった。
4診(2日後):11時頃〜7時まで眠るようになった。ずっと寝ているので起こして1度授乳するが飲んだ後はすぐ眠る。
母親や家族もよく眠れるようになり体調がよくなった。
その後も小児はりをしているとよく眠り機嫌がよいので、母親の希望により定期的に小児はりを継続している。
まとめ
生後2週間という早期に始まった夜泣きだったが小児はりで改善された。生後すぐは眠りのリズムができていないため、体は休みたいのに脳は興奮した状態になりやすく眠りに入れない不快感で泣いていると推測する。
始めての育児で戸惑っていた母親や家族も十分な睡眠がとれるようになり落ち着いて育児に取り組めるようになった。
症例番号
581
患者
3歳 女児
来院
2019年3月
症状と来院理由
母親が下の子を妊娠した2年前から夜泣きが始まった。寝つきが悪く、就寝が10〜11時頃になる。2,3回夜中に起きて泣き、以前は2〜3時間泣き続けることがあったが、今は少し短くなっている。寝起きの機嫌も悪い。
こだわりが強く、かんしゃくをよく起こす。アトピーが顔、両手足に出て赤く腫れている。
子育て支援センターで当院の紹介を受けて来院した。
治療内容と経過
初診:敏感な子供さんで母親が妊娠に気づく前に、夜泣きと癇癪(かんしゃく)が始まった。頭部、肩背部、腕に過緊張の部分がありその部分を中心に小児はりを施術した。
嗅覚や触覚も過敏である。
2診:前よりよく眠るようになり、起きてもぐずぐず言わなくなった。前回と同様の施術をする。
3〜9診:寝つきが前よりよくなり、夜中に起きてもすぐ寝るようになった。前回と同様の施術をする。
10診:朝まで眠れる日がある。昼間の機嫌もよくなってきた。アトピーもよくなってきて薬を全身に塗っていたのを荒れているところだけに塗るようになった。
11診:朝まで眠るようになった。
12診〜 アトピーの完治をめざして2回/週の施術を続けている。徐々にアトピーの部分が減り、指、肘の部分に少しだけアトピーが出るだけになっている。夜は朝までよく眠り、かんしゃくが減り穏やかな表情のことが多い。
まとめ
敏感な子供さんで、様々な刺激に対する過敏な反応が起きやすい。身体の緊張が強く、その緊張をゆるめることにより症状が改善した。よく眠れるようになるとともに、皮膚の回復も早まりアトピーも改善した。
症例番号
691
患者
5ヶ月児 男児
来院
2021年3月
症状と来院理由
生後ずっと夜泣きが続いていて最近は1時間おきに起きる。
昼間も機嫌が悪いことが多く抱いていないといけない。眠くなると寝ずぐりがひどい。
寝かしていても抱いていてもよくそり返る。
夜泣きに困っていたところ、子育て支援施設で小児はりを紹介していただき来院された。
治療内容と経過
(初診)表情が明るく笑いかけるとよく笑う。排便は毎日あるが上腹部にガスが多い。頚肩、腰仙部の緊張が強いので緊張をとるように施術し、上腹部のガスが減ったことを確認した。寝かしつけや抱き方を問診し改善点を説明した。
(2診目)2日後。少しよくなった気がするが2〜3時間起きていた。初回と同様の施術をする。
(3診目)2日後。夜1度だけ泣いたがすぐに眠った。そり返ることが減り昼間の機嫌もよい。
(4診目)3日後。夜1度授乳に起きるだけになった。
母親も子育てのペースがつかめてきて楽になったとのこと。
小児はりをしていると子供の体調も機嫌もよいので定期的に来院を継続されている。
まとめ
赤ちゃんの夜泣きはしようがないと思われているが、原因をつきとめ改善するとく眠れるようになる。本症例では胃にガスが溜まっていたため不快感があり熟睡することができないのではないかと考え施術した。
生活リズムや赤ちゃんへの接し方を変えることで夜泣きを予防できるので鍼灸師に相談してほしい。
症例番号
863
患者
4ヶ月 男児
来院
2022年7月
症状と来院理由
生後3ヶ月になった頃から6時間位眠れるようになっていたのに2週間前から1時間おきに起きてギャーと泣く、母乳をあげるとスッと眠るを繰り返す。
日中も眠ってもすぐ起きて機嫌が悪い。よく低い声で唸っている。
授乳中もすぐにギャーとなき十分飲まないので、母乳の間隔が1〜2時間位しか空かない。
顔を痒がりよく擦っている。来院時赤く腫れている。
3ヶ月検診で首の座りがまだ十分でないと言われる。うつむけにしても首をあまりあげれず3分位で怒る。
便は3回/日
急に夜泣きをするようになり母親が困っていて、行きつけの美容院で小児はりを薦められ来院された。
治療内容と経過
初診:
色白で手足に力がない。表情虚。
頸部、肩背部の過緊張部に小児はりを施術した。
胸鎖乳突筋の緊張をとるため合谷、開魄、後谿に軽くバイブレーションする。
顔の赤みが取れるように施術し市販のワセリンを塗布していたのをやめてもらう。
2診目(3日後):
施術した日から3〜4時間まとめて眠るようになる。
日中も授乳中に寝落ちしてそのまま1〜2時間眠る。
表情が明るくなりよく笑う。
施術後から喃語が出始めムニャムニャよく喋るようになる。
うつむけで首が90度上がるようになり怒らなくなった。
顔の赤みとれたが、乾燥していたので病院でステロイド軟膏をもらい塗布している。
3診目(3日後):
昨夜は9時〜6時半(9時間半)眠ったとのこと。
寝つきもよく、寝かせつけなくてもスッと眠る。
授乳間隔も3〜4時間空くようになった。
足をよく動かすようになり胸の方まで上げるようになり機嫌よく遊ぶ。
顔の乾燥よくなりステロイド軟膏やめる。
1昨日排便なく、昨日少し、今日は2回
4診目(2日後):
6時間半位眠り、1回授乳してすぐ眠るようになる。
便 1/2日 粘い
5診目(2日後):
続けてよく眠っている。
排便 1〜2回/日 になる。
うつむけにしても頭をあげ前腕でつっぱり機嫌よくしている。
睡眠状態、機嫌 、排便、皮膚の状態も安定したので施術を終了する。
経過観察のため1週間後に来院予定とする。
まとめ
1時間おきに起きる夜泣きだったが、初診の小児はりで3〜4時間眠れるようになり
3診目以降6時間半位眠り授乳後、朝まで眠れるようになった。
母親も眠れるようになり心身ともに安定した。
4ヶ月頃は赤ちゃんの発達で首が座り、次のステップの寝返りが始まる頃である。
この流れがうまくいっていないと、子供の神経にストレスがかかり夜泣きにつながることがある。
患児の場合も、首座りが十分にできていないのに寝返りにつながる動きが始まっていた。
小児はりで余分な緊張をとることで眠りや機嫌が良くなると同時に、首の座りがよくなり喃語が出たり、体の動かし方など発達も進んだ。
小児はりは親子の睡眠問題を改善するとともに、子供の発達にもよい影響を与える。
症例番号
716