不妊治療の症例
当院の不妊症の症例の一部を紹介いたします。
症例1 妊娠しにくい体質を改善して出産された症例
症状
結婚1年後より病院にて1年間タイミング療法を行っているが子どもを授からないため、鍼灸が妊活によいことをネットで知り来院。
チョコレート嚢腫、卵管通水テスト通りにくい、子宮腺筋症、子宮後屈であることがわかっている。
生理痛があり、疲れやすい、イライラしやすい、貧血、冷え性、腰痛、花粉症などの症状もある。
来院者30代 女性 通院頻度1回/2週 |
妊娠までの期間4ヶ月 妊娠までの通院回数8回 |
施術と経過
体を診させていただくと、胃腸が虚弱な体質であり、胃腸の働きをよくし、元気に動くことができ妊娠す余力がある体になるように施術していった。比較的早く生理痛が軽くなり、冷えが改善していくとともに、人工授精により妊娠することができた。
まとめ
チョコレート嚢腫、卵管が通りにくい、子宮筋痛症、子宮後屈など妊娠しにくい体の状態であったが、体を整えていくことにより比較的早く妊娠することができた。
妊娠後も鍼灸を続け元気な子どもさんを出産された。
カルテ番号
655
症例2 不育症を克服して出産された症例
症状
自然妊娠で3回の流産の経験があり、その後、体外受精で3回移植したが着床しなかった。流産の原因は高リン脂質症候群のためと診断されている。
元気であるが、冷え性、腰痛、花粉症などの症状がある。
ネットで鍼灸が不妊症によいことを知り来院された。
来院者30代 女性 通院頻度1回/1週 |
妊娠までの期間2ヶ月 妊娠までの通院回数5回 |
施術と経過
妊娠しやすい体質になるように施術をするとともに、慢性的に痛みのあった肩、腰の治療を行った。
施術開始2ヶ月後、体外受精の準備をしていたところ自然妊娠された。
妊娠後も出血することもあったがヘパリン注射と鍼灸を継続し無事出産された。
まとめ
肩、腰に痛みとして現れていた体の歪みを改善したことにより、子宮、卵巣の状態が改善され早期の妊娠につながったと推察する。
高リン脂質症候群による流産予防のヘパリン注射とともに鍼灸を続けられたことが妊娠継続に寄与できたのではないかと思う。
度重なる流産を乗り越えて元気な子どもさんを出産することができ本当によかった。
カルテ番号
709
症例3 冷え症を改善して出産された40歳代の女性
症状
結婚後1年経過、タイミング療法を6ヶ月受けるが妊娠しなかったので人工授精にステップアップを考えている。ご夫婦ともに40歳を超えているが、検査では特に異常は見つかっていない。冷え性と慢性腰痛がある。
当院に通院されている患者さんから勧められて来院された。
来院者40代 女性 通院頻度1回/1週 |
妊娠までの期間11ヶ月 妊娠までの通院回数56回 |
施術と経過
下半身が冷えており、慢性の腰痛もあり骨盤内がうっ血した状態になっていると考え、
冷えを改善し、骨盤内の血液循環をよくし子宮環境がよくなるように施術した。
鍼灸の施術と平行して、提案した生活改善(食事、運動等)に積極的に取り組まれた。
腰痛が改善し、冷えが徐々に改善した。
5回タイミング治療後、人工授精4回目で妊娠された。
妊娠後も定期的に施術をうけ無事元気な赤ちゃんを出産された。
まとめ
現代は40歳代で妊娠を希望する女性が多く、時間との戦いになっている。病院の検査で問題がない場合でも、東洋医学的に診させていただくと改善できる点が見つかる。
病院での治療と平行して鍼灸で体を整えることにより残り少ない妊娠可能な期間を有効に使って子どもを授かって欲しいと思う。
カルテ番号
344
症例4 生殖器の状態が改善することにより出産された症例
症状
人工授精を7回行った後、顕微体外受精にステップアップし4個採卵したが受精卵が1個しかできず着床しなかった。内膜が6mm代以上厚くならない。
ご主人の精子の数、運動率とも低い。
当院の施術を受けて妊娠、出産された友人の紹介で来院された。
来院者30代 女性 通院頻度1回/1週 |
妊娠までの期間15ヶ月 妊娠までの通院回数61回 |
施術と経過
東洋医学的に見立てると、胃腸、生殖器系の働きが弱く体力がなく、妊娠に至っていなかった。胃腸、生殖器系の働きがよくなるように1/週のペースで施術した。
施術開始1ヶ月後の採卵では11個採卵でき8個受精、5個凍結できた。
施術開始2ヶ月後、内膜が8.8mmまで厚くなり移植した。着床したが化学的流産となった。
施術開始10ヶ月後 移植4回目で妊娠したが稽留流産。
施術開始14ヶ月後再び採卵し、4個採卵し2個受精、もどした1個で妊娠された。
妊娠後も施術を継続し無事出産された。
まとめ
ご夫婦ともに妊娠しにくい体の状態であったが、鍼灸により体質を改善し卵が増えたり内膜が厚くなり子どもを授かることができた。
2度の流産があったが、少しづつ状態がよくなっていったので負担の大きい治療に前向きに取り組めたのではないかと思う。
カルテ番号
527
症例5 結婚10年目に妊娠し出産された症例
症状
結婚した10年前から子どもが欲しいと思っていたがなかなか授からず5年前にタイミング療法を1年間したが妊娠しなかった。
1年半前に治療を再開し、タイミング療法、人工授精を数回行うが妊娠せず、顕微体外受精にステップアップした。
採卵を4回行ったが凍結までできたのが1個ずつ2回。移植を1回行ったが妊娠せず、残りの1個を移植予定。
卵管造影、ホルモン値は異常がない。冷え症、肩こり、頭痛がよくある。
慢性腎炎の既往歴があり経過観察中。男性の精子の数、運動率が少し低い。
今回の移植で妊娠しなかったら治療をやめようと思っている。
ネットで鍼灸が体質改善によいことを知り移植前に体調を整えたいと来院された。
来院者30代 女性 通院頻度1回/1週 |
妊娠までの期間3ヶ月 妊娠までの通院回数11回 |
施術と経過
体を診させてもらうと体内に水分が多い状態で、腎臓の働きをよくし水分を排出し骨盤内の冷えを改善する方針で施術を行った。また、生活習慣の指導を行い生活改善に取り組んでもらった。
慢性腎炎の定期検診でも調子がよいので検診を受けなくてもよくなった。
施術開始3ヶ月目に移植を行い妊娠された。安定期まで施術を続け、無事出産された。
まとめ
移植に向けて鍼灸で体質改善をするとともに、日常生活の改善を熱心に取り組まれた結果早期に赤ちゃんを授かることができた。
10年間子どもを願っていて今回授からなければ積極的治療は諦めるということだったので、順調に妊娠されほっとした症例である。
カルテ番号
205